「…………………」



…とは言え。



『明日は期待してるヨ!』



なんてメールをもらっておきながら、今日も無視して行かないわけにはいかない。



だけど冷静に考えてみたら…私たちのこんな関係って、いつまで続けたからって何になるわけじゃあない。


だいたい慎吾くんの家の親は子どもの為にまともなご飯も作らなくて、赤の他人でもある私が面倒を見てるだけだ。


最初は喜んでくれるのが嬉しかったのと、最近は…私がすっかり恋をしちゃったから好きでやってたんだけど。


そもそも慎吾くんは、私を彼女だなんて意識してないかもしれないのに、こんな事を続けたって…




「…っ」



私はさっきの受信メールから返信ボタンを押すと、慎吾くん宛てにメールを書いて返した。






*****



to;慎吾くん

Sb;


あんまり私に甘えちゃダメだよ!

美味しいご飯なら、彼女さんに作ってもらいなさい(笑)





***





「…………………」




“彼女さん”だなんて。

ちょっとイヤミだったかなぁ…。




…でも、その通りだもん。
いいよね…。



もしかしたら慎吾くんから返信や電話が来るかもしれないと思った私は、しばらくケータイの電源を切ると、そのままバッグの中に放っておいた。