まっすぐの道を歩き続け、別れる地点でもある本屋さんの前の交差点まで来て足を止めた。



「今日も送って頂き、ありがとうございました」



今まで仕事が終わった後は、いつも1人で帰っていたこの道。


大した距離ではないんだけど、でもやっぱり特に夜だと誰かと一緒に帰る方が何倍も楽しいし心強いよ。



「また明日、店の方でお待ちしてますね。
明日はサラダ、少し多めに作っちゃいますよ」



「ありがとう。
なら明日は、何があっても絶対に行かないと」



「あはっ、冗談ですよ。
そんな本気にならなくても…」


「いえ、必ず行きます!
だから…」




よほどうちのサラダが食べたかったのかなぁ?

昨日は作り方をちゃんと教えたつもりだったんだけど、一体どんな風に出来上がったんだろう。



…なんて、そんな事を考えてた私は鈍いだけだったんだ。



「はいっ。
じゃあ絶対、来て下さいね」



「…もちろんです!」




まっすぐに向けられた私への視線が、いよいよ止められないものになってきているなんて、思わなかったの。