「イチゴバラさんのお仕事、毎日そんなに忙しいんですか!」



私たちは暗い夜道を2人並んで、イチゴバラさんと話をしながら歩いた。


と言っても、私は殆どイチゴバラさんの話す事に相槌を打ちながら聞いているだけなんだけど。



「えぇ。割と重要な役割を担ってるものですから、酷い時は休日出社もあったりで」



「わぁ、それは大変ですっ」



普通会社員なら、17時にあがるものだろうけどな。
でもイチゴバラさんは昔からいつも閉店1時間くらいに来ていたのだから、相当毎日仕事に追われてる生活をしているんだなと思った。


私なんて思い切り週休2日に、時間通りの勤務についてるのにね。




「だから家の事にまで手が回せなくて、子どもにも不憫な真似をさせてる始末ですよ。
本当、情けない限りです」



「そんなぁ。イチゴバラさんは、とても一生懸命ですよ!」



毎日お仕事頑張っているのに、そんな自分を情けないだなんて。


お父さんが来れない日は、子どもさんが代わりにうちのお店に来てくれていたようだし。

ちゃんとコミュニケーションとか、うまくとれてる良いお父さんなんだろうなって思うよ。