「…………………っ」



「……………………」




…あれ?
何だか変な空気になっちゃった。


人の晩ご飯事情に他人が首を突っ込むなんて、失礼だなとは思ってたけど。

でもイチゴバラさんが笑って答えてくれたから、つい調子に乗ってズケズケと問い詰める真似をしてしまったかも。



もしかしたら、触れてほしくない部分に私は触れてしまったのかもしれないな。

やっぱり余計な事なんて訊かないで、内輪で勝手に詮索するだけに留めとくべきだったのかも…。





「――――あ」



そうしているうちに閉店時間である夜の9時になってしまったようで、デパ地下内の照明が1つ落ちた。

と同時に、閉館案内のアナウンスも聞こえてきた。



「す すみませんっ、変な事を訊いて足を止めちゃって!
あの、気にしないで下さいね。どうぞまた、お越し下さ……」


「会いたかったんです。
…その、妹尾さんに」



「ぇ………?」




“会いたかったんです”



まっすぐに私の顔を見据えながら放たれたその言葉に、私は全身に響くぐらい胸がドキンとした。


会いたかった…?


え、私 に…………?