「あの、帰り…本当に気を付けて下さいね。
なるべく明るくて人の多い所を通るようにして、何かあってもすぐに助けを呼べるような…」



「あ、はい…っ」



そうか、この前のナンパおっさんの件を心配してくれているんだろうな。


確かにあの時は怖かったし、もしこのお客さんがいなかったら声をかけられていただろうなとは思う。


そういえばあのナンパおっさんは、あれ以来うちの店にも姿を見せなくなったなぁ。


常連さんが来なくなったのは、店的に売り上げが減っちゃうわけでもあるかもしれないけど…でも私的にはホッとしちゃってたりする。



「本当は見送ってあげたい気持ちはあるんですが、あいにく今日は早く帰らないといけなくて…」



「わわっ
私なら大丈夫ですよ!
心配してくれて、ありがとうございますーっ」



そんなに本気で心配してくれるなんて、何だか嬉しいな。


だけど帰らないといけないって言ったって事は、家で待ってる人がいるって事かな?


うわーっ
独り身だなんて、やっぱり予想はハズれてましたーっ