「1つだけ、試作品?」
「は はいっ
いつも来てくれるお客さんが、うちのサラダを気に入ってくれてて、それであの日試しに作ったリンゴ入りのものを差し出したんですっ」
店の看板を背負っている以上、店長の許可なくそんな勝手な事をしちゃいけないのはわかってた。
だけど私の自信作でもあったし、実際食べてもらって好評だったから、つい毎日彼の為だけに作ってしまっていたの。
私がお客さん1人ずつと対応できる、レジ担当なのを利用して…。
「――それで、何らかの経緯で他のお客さんの口に入って、そうなったわけか」
「…すみません。
つい美味しいって言ってくれたから、サービスしたくなっちゃって…」
会社なんだから、一応マニュアルに沿った仕事はしなくちゃならない。
確かに久保店長は良い創作料理は陳列してもいいって言ってたんだけど、それには許可をもらわなきゃならないし、何よりこのリンゴサラダは却下されていた。
当たり前の話だけど、この件に関しては私が悪いのだ。
「ヒナちゃん、お客さんの期待に応えたい気持ちは大事だけど、過剰なサービスはクレームのもとなのよ」
「小山さん…」
「こういう事は久保店長が決める事だからね。
それに、ヒナちゃんはそんな事しなくても、接客の方で十分気持ちのいい対応できるでしょ」
「…はい。
気を付けます」
久保店長も小山さんも、私を責める事はしなかった。
だからこそ私は自分のした事に、大人な対応ができていなかったなと反省した。
だけど、それにしてもあのリンゴサラダ。
ホント、一体どうやって誰の手に渡っちゃったんだろう。
「は はいっ
いつも来てくれるお客さんが、うちのサラダを気に入ってくれてて、それであの日試しに作ったリンゴ入りのものを差し出したんですっ」
店の看板を背負っている以上、店長の許可なくそんな勝手な事をしちゃいけないのはわかってた。
だけど私の自信作でもあったし、実際食べてもらって好評だったから、つい毎日彼の為だけに作ってしまっていたの。
私がお客さん1人ずつと対応できる、レジ担当なのを利用して…。
「――それで、何らかの経緯で他のお客さんの口に入って、そうなったわけか」
「…すみません。
つい美味しいって言ってくれたから、サービスしたくなっちゃって…」
会社なんだから、一応マニュアルに沿った仕事はしなくちゃならない。
確かに久保店長は良い創作料理は陳列してもいいって言ってたんだけど、それには許可をもらわなきゃならないし、何よりこのリンゴサラダは却下されていた。
当たり前の話だけど、この件に関しては私が悪いのだ。
「ヒナちゃん、お客さんの期待に応えたい気持ちは大事だけど、過剰なサービスはクレームのもとなのよ」
「小山さん…」
「こういう事は久保店長が決める事だからね。
それに、ヒナちゃんはそんな事しなくても、接客の方で十分気持ちのいい対応できるでしょ」
「…はい。
気を付けます」
久保店長も小山さんも、私を責める事はしなかった。
だからこそ私は自分のした事に、大人な対応ができていなかったなと反省した。
だけど、それにしてもあのリンゴサラダ。
ホント、一体どうやって誰の手に渡っちゃったんだろう。