「えっとね、今日はハンバーグとグラタンにしようかなって思ってんだけど…っ」



「いーよ いーよ、何でも食べるから。
それより、ひな早くっ」



「わわっ」



脱いだ靴も揃える隙もなく、私は慎吾くんに手を引かれて家の中へと入った。


台所へと続くドアを開けて入ると、そこはエアコンがよく効いていて、かいた汗が一気に引いていくように気持ちよかった。


だけど慎吾くんは更に私の手を引いて、その奥のリビングへと連れて来たの。


そしてそのままリビングにあるそのソファに、私を押し倒した。



「やっ、ちょっ、ぇえっ!?」



「まずは、先に絶品ひなを食べちゃうよ」



そう言ってニコニコ上機嫌で私のTシャツを捲ろうとする慎吾くんに、私は手を伸ばして距離を取る。



「ままま待って!
まだこんな、お昼にもなってないような時間なのにっ
て言うか、い 家の人は…っ?」



「大丈夫だって。
うちの親、夜まで帰って来ねーもん」



「ぁ……そう…
って!」



「だからひな、遠慮なく声とかも大丈夫だからね」



「――――――っ」







結局私はご飯を作りに行きながら、殆ど毎回慎吾くんに食べられていたりするのだ。



だけど、別に嫌なわけじゃあない。



好きな人になら、何されても幸せに感じるんだもん。


だって、それだけ私を求めてくれてるって事でしょ?



て言うか…


私、今じゃすっかり慎吾くんの事、好きになってるんだ…!