「おかえり、雛」
「た ただいま…!」
夕方
玄関のドアを開けた音に気付いたお母さんが、早速帰ってきた私を迎えた。
…別に何の悪い事もしていないんだけど、つい緊張して声が上擦ってしまう。
だってお母さんは、私は女友だちと一緒にランチしたりダベったりしてきたと思ってるだろうからなぁ。
まさか、実は店のお客さんとして知り合った年下の男の子の家に行って、アレをしちゃったなんてね。
…まだちょっと感じる、下腹部の違和感。
そんなの、口が裂けても言えないんだからっ。
「そうそう、雛。
何かハガキが着てたんだけど、これ雛宛てにでしょう?」
「え、どれどれ?」
私はお母さんが差し出してきたハガキを受け取ると、裏返して見てみた。
「…あ、高校の同窓会だぁ」
「あら、そうなの?
よかったわねぇ」
目が見えにくいお母さんには届いたハガキはわかっても、中の字までは読める事はない。
だから昔から、何かしら書類や手紙なんかを読んだり代筆したりは私の仕事なのだ。
「た ただいま…!」
夕方
玄関のドアを開けた音に気付いたお母さんが、早速帰ってきた私を迎えた。
…別に何の悪い事もしていないんだけど、つい緊張して声が上擦ってしまう。
だってお母さんは、私は女友だちと一緒にランチしたりダベったりしてきたと思ってるだろうからなぁ。
まさか、実は店のお客さんとして知り合った年下の男の子の家に行って、アレをしちゃったなんてね。
…まだちょっと感じる、下腹部の違和感。
そんなの、口が裂けても言えないんだからっ。
「そうそう、雛。
何かハガキが着てたんだけど、これ雛宛てにでしょう?」
「え、どれどれ?」
私はお母さんが差し出してきたハガキを受け取ると、裏返して見てみた。
「…あ、高校の同窓会だぁ」
「あら、そうなの?
よかったわねぇ」
目が見えにくいお母さんには届いたハガキはわかっても、中の字までは読める事はない。
だから昔から、何かしら書類や手紙なんかを読んだり代筆したりは私の仕事なのだ。