「その袋、重いんだろ。
やっぱ俺持つから、貸しなよ」



そう言って、慎吾くんは空いた手の平を私に向けた。


確かに夏の日差しは暑いし、荷物は重いけどね。


でもそうしているうちに、いよいよ待ち合わせ場所であった本屋さんまで戻ってきたのだ。


以前教えてもらった慎吾くんの家だって言う青い屋根も見えてきたわけだし、後はもうそんな頑張れない距離じゃないもんね。




「大丈夫ですよ。もう少しでしょ?
これぐらい平気ですから!」



歩いてる間、ずっとそんな事を考えていてくれたのかなっ

チャラい年下だと思ってたけど、結構気遣いもできる紳士なところもあったりするん――…



「ちぇっ
またどさくさに紛れて、ひなの胸に触れるかと思ったんだけどなー」



「なっ!!?」



またしても悪びれた様子もなくケラケラと笑う彼に、ドキッとする。


今時の男の子は、そういう冗談とか平気で言っちゃうのーっ!?


これ例えば久保店長が言ったとすれば、確実にセクラハだよぉ!



て言うか、ちょっとでも紳士だなんて感心した私は何なのよぉ!!