今、那緒は言ったよな?


 今、那緒は俺の事を…『雅人』って、呼んだよな?


 夢じゃないよな?










 今は、酒の力でしか言えなくてもいいか。


 那緒は那緒のスピードで進んでくれたら。



 でもやっぱり、早く名前で呼んでほしいな。


 今みたいに。






 





 ドキドキと悲鳴を上げる心臓を無視して、俺は那緒を家に送るために外へ出た。