「綾ちゃ「どう?うまくいった!?」


 綾ちゃんは、私の方を見てから木下君に言った。


「うまくいった…?ってどういうこと?ねぇ、綾ちゃん?」



 綾ちゃんは振りかえって早瀬に言った。



「木下は私の彼氏だから心配ない」







 はぁ!?そんなの聞いてないし!!!



「綾ちゃんっ!」


 すると綾ちゃんは不気味にわらうと言った。


「ごめんね?でも、うまくいったでしょ?」




 あ…。

 そうか。

 綾ちゃんは、私が早瀬の本音を聞けるようにと考えてくれていたんだ。


「ありがとう、綾ちゃん、木下君」


 私が二人に笑っていると、いつの間にか私の後ろに来ていた早瀬に引っ張られた。



 足に力がはいらない私は、簡単に早瀬の腕に閉じ込められてしまった。




「木下、邪魔者は退散するよ」


 綾ちゃんのかけ声で、二人は行ってしまった。



「は…やせ?」





 なかなか私を離そうとしない早瀬に私が戸惑っていると、ぼそりと早瀬が呟いた。