「乃愛―――!」

高校一年の頃。

「どうしたの?」


「今すっごくかっこいい先輩に声かけられたの!」


「よかったね」


「岩川先輩なんだけど、隣に藤波先輩がいた!」


「よかったね」


岩川先輩も藤波先輩も…あたしからすれば同じ顔。

だって男の子に興味ないもん。


「藤波先輩かっこいいよね~」


かっこいいとかわかんない。


「乃愛、ちょっといい?」


後ろから声をかけられた。


「雅」


親友の雅だった。