救急車に乗り込むと、乃愛が静かに眠っていた。 「乃愛…」 動かない乃愛を見て…後悔ばかりが溢れる。 俺が海外進出とか言わなかったら、とか… 無理矢理にでも車に引き止めたら、とか。 「の、あぁぁぁぁぁ…」 ガクッと膝の力が抜けた。 「ごめん…ごめん乃愛…!」 俺結局、乃愛のこと幸せになんかできなかった。 最期の最期まで苦しませた。 後悔と涙ばかりが、溢れた。 最愛の娘…愛里の誕生日、3月12日。 俺はこの日、最愛の妻を亡くしてしまった。 *******