「だいすき、だった…」 「乃愛!」 「幸せ、だった…」 そんな最期の言葉みたいにっ… 「きょ…うに…あえて…幸せ、だった…」 「乃愛ぁ…」 「…………ごめん、ね」 乃愛の大きな目が、ゆっくり閉じる。 「乃愛…?乃愛?乃愛…」 「…………」 揺すっても叩いても反応しない。 「俺をひとりにすんなっ…乃愛…」 「……………」 「乃愛、乃愛!乃愛っ…乃愛っ、目ぇ開けろ…乃愛ぁあ…」