リビングの真ん中で、フラフープを回す嘉代さん。


「どうしたのよ?恭が恋しくなっちゃった?」


「……恭が生まれ育ったこの建物すら恋しいです」


「あらー、かなり大変ね」


実は、もう恭が出発してしばらく。

気づいたら日にちだけが過ぎていた。


「ちゃんと食べてるの?もともと細いのに痩せちゃって…」


「なんか…喉を通らなくて」


「こんなかわいい子を…
恭のやつっ、帰ってきたら私がぶん殴ってやるんだから!」


「ありがとうございます」