「愛里、乃愛ちゃん、いらっしゃい」


「こんにちは、じーじ」


「突然すみません」


「いや、別に大丈夫だよ」


恭のお父さん、俊哉さんは愛里を抱き上げながら優しく笑う。


………この笑顔、恭にそっくりだよね。


「上がって、おいしいクッキーもらったんだ」


「お邪魔しまーす」


「お邪魔します」


…………恭の生まれ育った家。

建物まで恋しくなっちゃうのは重症だね。


「乃愛ちゃーん」


「あ、嘉代さん」