「でも、頼むから俺を待つな」


首を横に振る。


「幸せんなれ、乃愛」


「恭を待ってるっ…」


「正月もクリスマスも、乃愛の誕生日も帰ってこない」


「それでもいいっ、いいからっ…」


「でも乃愛…」


「あたしは恭がいないと幸せになんかなれっこないっ…」


「……………待つなって言ってんのに…」


「あたし待ってちゃダメなの…?戻ってきたら違う人と結婚するの?」


「…しねーよ」


「じゃあなんでっ…」


「……………」