「…………乃愛の旦那だけど」


「…………」


旦那…じゃないよ。

圭介がそっと上を退く。


「乃愛、帰ろ」


「…い…いやだ…」


「いいから」


あたしを軽々担ぎ上げ、ホテルを出た。


「………………乃愛」


「……………」


「乃愛」


「…………浮気…されたのはあたしだよ…?」


「……………」


「…恭は浮気していいのに…あたしはダメなの…?」


「……………」


あたしを車に放り込んで車を走らせる。