「食べよ、」


服を着てテーブルに近づく。


「うん」


手を合わせて食べ始めるけど、乃愛の手が動いてない。


「乃愛、具合悪い?」


「…………恭、の…一口ください」


あぁ…そんなことか。


「どーぞ」


「ありがとう」


パスタを差し出すと、嬉しそうに口に入れた。


「あたしのもどーぞっ」


「ありがと」


口の周りが赤い乃愛がにこっと笑う。


「…………口の周り、赤いよ」


「え゛」


色気のない声。