「………ありがと、恭…」


………………


「な…なんか言ってよ…恭先輩…」


「もう“先輩”やめような」


「うん…」


すっごい嬉しい。


呼び捨てされてこんな嬉しいの初めてだ。


「乃愛」


「なぁに?」


「俺…乃愛が何より大切」


「………っ…」


なんでなんも言わねーんだよ!


「誕生日だから…特別に言ってやる」


投げやりに言ったその言葉は俺の精一杯の照れ隠し。


「ありがとっ…」