「乃愛ちゃん、これ、たいしたものじゃないけど」


優しい雅の両親は、あたしにプレゼントまでくれた。


「ケーキも買ってあるの!朝ご飯食べた?」


「あ…うん…」


食べてない。


だけどそこまでお世話になるわけにはいかないよ。


「たくさん作っちゃったから、乃愛ちゃんも食べてね」


嘘はあっさり雅のお母さんに見抜かれた。


「いただきます」


雅の家族に混ざって食べる朝ご飯。


この家にうまれたかった、そう何度泣いたことか。