「好きだよ、誰よりも。」





低くて太い、大好きな貴方の声。

自然と頬を涙がつたった。






「…慎っ」


「な、何だよ…」






慌てた彼の声。
濡れた私の頬を優しく包む。





「…不安だった。慎、私のこと好きじゃないと思ってた。」


「何それ…。」







頬が温かい。
それは慎が触れているから。




胸が温かい。
それは慎がいるから。








「…んなわけねーじゃん。だったら、こんなに長々一緒にいねーよ。」


「…うん。」








ポンポンと頭を叩く慎。





「…アイツは?誰?」


「…幸人?」





そう私が呟くと、慎の顔が一瞬曇った。



「誰?」


「…弟。」








シーン…








「お、弟?」

「うん。」