「ちょっと何言ってんの?!」


最初に口を開いたのは、クラスの女の子。


「そのまんまの意味だけど?」


「まぁ、とにかく、東之江君の席は天月さんの隣でよろしい。
着席しなさい」


スルーしちゃったよ。先生…


今日が始まったばかりなのに…


「ひより。これからよろしくな?」


コクリ


「怒ってんの?」


コクリ


「何したら機嫌直す?」


コクリ


「キス、とかしたら?」


コクリ


って、今キスって言った?!
やば…今トリップしてた!

驚いて蒼希のほうを見ると、にやにやしてるし!


変態かっ!!


「あとでな」


小さくつぶやいた彼の声は、私の心にしみわたった。

――けど、


キスは嫌ぁぁ!!