その日、俺らは帰り道初めて南緒と帰らなかった。正式に言えば、俺らだけ四つ葉がよくとれるその場所に残ったんだ。


南緒のためとは言え、俺が相当なショックを受けていたということは、翔太も同じくらいのダメージをくらっていたんだと思う。


俺たちは何時間か、そこに座っていた。


自惚れていた。南緒は、俺たちを純粋に幼馴染として見ていた。
俺たちの好きと、南緒の好きは、意味合いが全然違ったんだ。


落ちていく夕日をただ見つめながら、あたり一面真っ赤に染まったころ。


翔太が南緒にもらった四つ葉を見つめながら、口を開いた。


『約束しよう、尋』

『……約束?』

『俺らが南緒を好きなことは、きっとこの先変わらない。幼馴染をずっと続けていくのは、さすがに無理があるよ』

『だけど、南緒はそれを望んでる……』

『17歳だ。』


ゆっくりと視線を上げると、翔太と目があった。夕日に照らされた翔太の顔は、強がっているようで、今にも泣きそうだった。


『俺たちが、南緒に想いを伝えるのは、3人とも17歳になった時。』


翔太の目は、真剣だった。
心なしか、声も震えていた。
きっと俺も、そうだったのかもしれない。


『約束だ、尋。
17歳になるまで、俺らは絶対に南緒に手を出さない______』