「それなら早く帰ってあげてください。
大切な人が寂しがってたら嫌でしょう?」


「…うん」


お皿が空なのを確認すると、いつかと同じように彼があたしの荷物を持って玄関に向かっていってしまった。


「食器はそのままにしておいてください」


玄関の方から声が聞こえた。


「でも…」


「早くしないと行きますよ」


急かされたので渋々食器をその場に残し、玄関に向かった。