「それで、本題に入りましょうか」


照れ隠しなのか、彼があたしの感動をさえぎった。
もう少し懐かしさに浸ってたかったのにな。


「あ、うん。

さっきも言ったとおり、最近勝也くんが疲れてるみたいで…何かあたしにできることはないかなって思うんだけど。
あたし、受験のときの精神的に追い詰められた感じとかってわからないから…
渡辺くんに教えてもらおうと思って」


ふーんとつぶやくと、彼は頬杖をついてこちらを呆れた目で見つめてきた。


「千絵さんはもう少し、自分の立場をわきまえるべきですよ」


「…どういう意味?」


説教は好きじゃないんだけど。