「千絵さん一人で来るのは久しぶりですね」 ドアを開けて渡辺くんは少し驚いていた。 アポ無しで来たんだから当然か。 「急に押し掛けてごめんね。 今、時間いい?」 「いいですけど…何かありました?」 「色々聞きたいことがあるの。 ビール買ってきたから一緒に飲も」 我ながら図々しい女だ。 あたかも我が家であるように座布団の上に腰を下ろすと、渡辺くんが笑っていた。