「勝也くん、ご飯できたけと出てこれる?」


「うん、今行く」


鍋をテーブルの上に運んでいると、勝也くんが嬉しそうに寄ってきた。


「やばい、超美味しそうなんだけど」


ホントに今日の彼は小学生に戻ってしまったみたいに幼い。


「消化のいいものの方がいいと思って。
梅雨の季節に作る料理じゃないけどね」


小皿によそって渡すと、勝也くんは熱そうに頬張りながら美味しいといってくれた。


「千絵さんってさぁ、結構家庭的だよね」


「仕事もあるし、なかなかやってられないけど、家事は嫌いじゃないのよね。掃除以外は」


冷蔵庫からビールを出して、あたしも席についた。


「そういうギャップって好きだな」

そんな風に言われたのは初めてだった。
ちょっと恥ずかしいけど、純粋に嬉しかったりする。

「ありがと」


笑顔で返した。