「あ…千絵さん、お帰り…」


「ごめん、起こしちゃった?」


「大丈夫。これ、ありがとね。
気持ちいい」


そう言うと勝也くんは苦しそうに笑った。


「今日はおとなしくしてた?」


「うん。
でも…何も食べてないからお腹すいちゃった」


恥ずかしそうにそんなことを言う勝也くんは、いつも以上に幼く見えた。
それがなんだか可愛くて、微笑みがこぼれた。

さっきの憂鬱な気分も、この子が笑ってくれればすぐに消えてしまうみたいだ。

「わかった、ちょっと待ってて」