「彼は今家で岡崎を待っているの?」 「はい。今日は熱が出ちゃって…多分寝てると思います」 「それじゃ大変だ。早く帰らなきゃな」 あたしの前にあるカップが空なのを確認すると、伝票を持って、彼が席を立った。 それに続いてあたしも鞄を持ち、立ち上がる。 「先に外に出ていて。 すぐに会計を済ませるから」 「あ…ありがとうございます」 お言葉に甘えて、店を出た。 腕時計を見ると、時刻は8時を少し過ぎたところだった。