「社長は…そもそも何で私を相手に選んだんですか?」


「この子なら、絶対に自分に本気にならないってわかったからかな。
それに、ずっと近くにいるし。信頼関係もできてたし。
あと…自分と同じ匂いがしてね」


「同じ匂い?」


「孤独な感じとか…誰といても寂しそうな雰囲気とか。
自分じゃ気付いてないだろうけど、僕にはそういう風に見えていたね」


自分がまわりからどんな風に見られていたのかなんて、初めて知った。
自分としては、それなりに暗い部分は演技でカバーしてたつもりだったんだけど…


「バレバレだったんですね」


なんだか自然とほほえんでしまった。