「どうかなさいましたか…?」
「いや、君ってそんなに簡単にこの関係を終わらせられたんだなって」
自分でもそれは疑問に思っていた。
何であんなにお金にこだわっていたはずなのに、簡単に切ってしまえるのか。
「男でもできた?」
声のトーンで、嫉妬の気持ちが無いことは確認できた。
そもそもこの人だって、あたしに本気なんかじゃないんだもんね。
それなら全部カミングアウトしても構わないだろう。
「いえ、そういう訳じゃありません。
関係としては社長と私の簡単とほとんど変わらないですよ。
ただ…買ってるのは私の方ですけど」
「岡崎が!?」
こんなに彼があからさまに驚くなんて珍しい。
これじゃあ逆にこっちが驚いてしまうじゃない。
「そんなに驚かなくても…」
「いやいや、大声も出したくなるよ」