注文が揃い、本題に入る。
少し重い空気をコーヒーの香りとクリームの甘さが中和してくれたので、あまり憂鬱な気分にはならずに済んだ。


「何を言われるかは、珍しく緊張した岡崎を見たら大体想像できたよ。
順を追って話してくれないかな?」


「さすが、よく分かってらっしゃいますね」


この人はあたしの親みたいだとたまに思うときがある。


「昨日、後輩の子に注意されちゃったんです。
遊ぶのはいい加減にしないと、ひどいことになるって。
それで…この仕事を失うわけにもいかないし、足を洗うのも有りかなって思ったんです」


「ふーん…」


ちょっと不満そうに返事をされた。
あったことをそのまま伝えたつもりなんだけど…