「千絵さん、子供みたい」

勝也くんは少し困ったように笑っていた。


「子供が言わないでよ」


あたしが子供なのは十分わかっていたけど、認めるのはなんだか悔しいから意地を張る。
そんなあたしのことも暖かい目で見つめてくれる彼の視線が心地よかった。


勝也くんとの生活は一体いつまで続くんだろう。
果てしなくも、簡単に終わらせることもできる。


でも、確かに言えるのは、
できるだけ長くこの子に甘えていたい
それがあたしの本音ってことだ。


決して彼に恋愛感情を抱いてる訳ではないのに…
どうしてなんだろう。


彼の体温が暖かすぎるせいだろうか。


色々と考えるのは面倒なので、とりあえず寝ることにしよう。



「じゃあ…そろそろ寝るね」


「うん、おやすみ」


閉じた瞼に彼の唇が触れた。