「でもいいの?
千絵さんにとっての平和な生活は、お金とセックスがなきゃ始まらないんでしょ?」
「まあ確かにね。
でも勝也くんがいるし。
別に社長からの収入が無くても普通に生活できる仕事だし。
きっと…足を洗えって誰かが言ってるのよ」
「足を洗えねぇ…
じゃあ俺もこの機会にやめよっかな」
「何を?」
「千絵さんからお金貰いながら生活するの」
正直、すごく動揺していた。
「何、いきなり」
「俺だって一応人間だし、この生活に罪悪感だって多少はあるんだよ?
それに、実際パート代だけでもお小遣いは間に合うしね。
あ、でも住む場所はないから追い出さないでね」
「うん…」
果たしてお金が絡まなくても、あたし達は今まで通りにやってけるのだろうか。