――――…。


「茜?…前!!」

「えっ?あっ…痛っっ!!」

おもいっきり電柱にぶつかってしまった。


「痛いぃ…」

「大丈夫か!!?」

あ…、千尋の必死な顔。
貴重すぎる。

「…何?人の顔じろじろ見て。打ったところ…大丈夫なのか??」

あたしの顔を片手で固定して打ったところを撫でてくれる。
本当に心配そうな顔。


「うん!大丈夫!早く行こっっ!!」


本当はまだ、ずきずきするけど千尋が心配するから。
平気なふりをした。