あれ…?



何故か痛くなかった。



見ると、ソイツがあたしをかばってくれていた。


「…ちょっと…。」

あたしは目を見開いて言った。



腕からは少し擦ったような傷。



「あーあ。

怪我しちまったぁー!!


お前は大丈夫か?」





あえてふざけたように笑うソイツを見て、あたしはますます不安になる。




「…ごめん、なさい……。


大丈夫…?」


もし怪我がもっとひどかったら…。

そう思うと胸が痛む。