目の前に等間隔で線並ぶハードルが、太陽を反射する。


スパイクの足先を軽く蹴ると、睨む様にゴールとなる場所を見つめた。



ただの一本の白線。

その、ただの一本の白線にたどり着くまでに、血の滲む様な努力をする。



例えそのステージが全国大会であろうが、練習であろうが。

俺の走りを見る事を望む人がいれば、俺はどんな場所だって最高の走りをしたいんだ。




「ふぅ...っ」



軽く数回跳んだ後、まるで風に乗るかの様に城川は走り出した。