田舎とも都会とも言えない町並みの、やったらと赤い夕焼けを背後に、
家へ向かう道すがら

「本当にシレンの家に住んでいいのだな」

「もちろん。さっきもいっただろ」

「シレンには頭が下がるな。感謝の言葉をいくつ述べればいいのか。本当に感謝も御礼だ」

「感謝の言葉はいらんが、
感謝も御礼ってなんだ!?それを言うなり満員も御礼だろ。いやそれもおかしいわ!!」

「ほんのジョークのつもりだったが、そんな風に律儀にツッコまれるとは、自分が恥ずべきようだな」

こいつは、いきなり謙遜しだすし、かと思えば、すぐ上から目線になるし。

今までの人類の中では最上級の変なやつだな。

「これは余談だが、
元来処女というのは成人に達した女性がまだ経験がない時をさすらしいぞ。
だから本来私はまだ処女ではないのだ」

「じゃあ何て言うんだ?」

「『操を守り続ける純白乙女』でどうかしら」

「どうって、おい、なんかああ・・・お前は純白っつーよりかは純黒みたいな感じだな。髪色的にも」


俺は、今更ながら、女子とこんな話をしている自分が変なやつに見えてきた。