「おい!そこのお前!」


何だ?

私は陸橋から声の主を探した。
キョロキョロと辺りを見渡してみる。



あ、アイツだ。


陸橋の下の歩道の所で、
ある男が大袈裟に手を振っている。



誰だろう、知り合い?




「早まるな!ちょ、ちょっと待ってろ!」

「は?」

「動くなよ!」



何なの?

その男はものすごい勢いで階段を上ってきて、
私に迫ってきた。


何?!やだ!



私はそいつに乱暴に両腕を掴まれた。



私何かしたっけ?
何か恨まれるような事したっけ?




「きゃー!」

「お前っ、何してんだよ!死ぬ気か?!命を粗末にすんな!」

「…は?」

「何も言わなくていいから!辛かったんだよな。でももう大丈夫だから。俺にぜぇんぶ話したらいいよ。なっ?」





男はやたら眩しいわざとらしい笑顔で、私の肩を揺らした。

私はもちろん、完全にフリーズ。





…アンタ、誰?





その後すぐに誤解が解けた。
とんだ勘違い。




私は自殺願望者じゃありまセン