―…

次の日。

午前9時12分。



朝。

私はいつもより遅く目覚め、
少しボーっとしてから、ハッとして窓の外を見た。



晴れてる。
雪のゆの字も出ないほどの快晴だ。



「ダメじゃん……」




私は思わず髪をかき上げ、ため息をついた。

やっぱり、そう簡単に思い通りになんて行くわけないよね。




すぐ下の道には、
色とりどりのランドセルが弾みながら歩いている。


私はもう一度ため息をついて、カーテンを閉めた。




ベッドが寄り添う白い壁。

薄い壁。





その向こうに、鯨がいる。



まだ寝てるかな。
それとも、もう起きてるかな。




隣でゴトンっと何かが落ちる音がした。
すると、小さく目覚ましの音が聞こえだした。


きっと落とした物は、目覚まし時計だろう。





私は思わず笑い、顔を洗いに立ち上がった。