「そんな所に立ってないで、こっちへ来て座ったら?」

「はいっ!」

幸守が言い終わるのを待ちきれない様に返事すると、少年は幸守の前に歩み寄った。

正座して背筋を正すと、少年はゆっくりと幸守に頭を下げた。

「先程は失礼致しました。お初にお目にかかります、兄上…」

少年の言葉に、幸守の笑顔が一瞬にして凍りついた。

(兄…!?)