「…あの…失礼をお許し下さい!」 思い切った様に言うと、少年は深く頭を下げた。 あっけにとられながらも、少年の振る舞いに幸守は好感を持った。 「許すも何も、別に怒ってないけど」 自然と幸守の顔から笑みがこぼれる。 「本当に…?」 心配そうに聞いてくる少年に、幸守は笑って頷いた。 瞬間、少年の表情が輝くような笑顔になる。 (向日葵…) 少年の笑顔は、幸守にその花を連想させた。