「……」 長い沈黙。 その沈黙に耐えられなくなったのは、幸守の方だった。 「誰だ!?」 苛立ちを含んだ幸守の声が響く。 ややして、ゆっくりと襖が開いた。 そこに、少年が立っていた。 少し恥ずかしそうに頬を染めながらも、澄んだ瞳は幸守を真っ直ぐに捉えて離さない。 その少年の姿に、幸守は一瞬懐かしさを感じた気がした。