「…は………?」



藤咲の眼が驚きで見開かれた。


私はそんな藤咲を見つめながら変わらない気持ちを伝えた。




「…好き……」




「私ね、ずっとずっと藤咲が好きだった……」




「…ううん……」




「今も好きなの。」




思い出すのはあの物語。



『赤いカスミソウ』



あの小説はあの日を思い出すから辛くなって結局は最後まで読んでいない。


そういえば結末はどうなったのかな?


主人公は幸せになれたのかな?


幸せになれていたらいいな……



(私は無理だから)




「藤咲が好きだよ。」




私はあの時とは違って最高の笑顔で伝えた。



ねぇ、藤咲…



三年間君に会わなかったけど…



私の気持ちは全く変わらなかったの。



自分では蓋をしたつもりでいたのにね。



君は笑いますか…?



しつこくてごめんね。



あきらめられなくてごめんね。



ずっと好きでいてごめんね。



でも今日で終わりにするから。



この想いを今度こそ綺麗に消すから。



だからお願いです。



(どうか思い切り振ってください。)