「なんで!?あんなに好きって「なんでってお前が…!!」



え…?



「お前が…いたから……」



ドクンドクンと脈を打つ音が耳に響く。



『お前がいたから』



つまりそれは…



「わ…私の…せい…?」


私のあの日の告白のせいで藤咲達は上手くいかなかったってこと…?



「っ…違…!!そうじゃなくて……」


藤咲が慌てて否定していたけど私の耳には届かなかった。


私は大切な人の幸せを奪ったの…?


下を向き、必死に零れそうになる涙を唇を噛み締め止めた。


(泣く資格なんて私にはないのだから)




「天音。それじゃ言葉足りなさすぎだ。慧ちゃんが誤解する。」



誤解…?



「っ……」



葉山さんの言葉に顔を上げると藤咲と眼が合い、思わず逸らしてしまった。


すると私の頭をポンポンと永奈が撫でてくれた。


「…慧ちゃん…逃げちゃダメだよ?」


「え…永奈……?」