そう思い口を開こうとした。


でも聞こえて来たのは…



「ハハッ!!」




懐かしい笑い声。




「え…?」


視線を声のした方に向けると藤咲が私を見ながらお腹を押さえて笑っていた。



「雨苗…っ…変わんねぇな…ハハッ!!」


「こ…この野郎……」


「ククッ…つかこのやり取りも変わってねぇ……」



そんな風に笑う藤咲に永奈と葉山さんは唖然とし、私は腹を立てているフリをした。



本当は安心していた。



もうこんな風に話せる日なんて来ないと思っていたから…




(もしかしたら藤咲はあの日のことをそんなに気にしていないのかもしれない)



複雑な気分だった…



哀しい気持ちがないって言ったら嘘になるけど……



またこんな風に話せることが嬉しい……




「……おい、お前ら。」


「「「はい?」」」


「…とりあえず座れ。めちゃくちゃ視線を感じる。」



唖然としていたはずの葉山さんが気付いたのは、大量の周りの視線。



私達は慌てて座った。