ジェイドは、受け取った翡翠のペンダントを見つめる。

「…これって……」

「翡翠、です。…今のあなたの名前と同じ」

偶然だろうか、これは。

彼女の新たな名前が、『ジェイド』であったこと。

…運命で、あってほしい。



彼女はペンダントを見つめ、そしてその橙をじわじわと潤わせる。

泣くのを堪えるように、彼女はぎゅっと瞳を閉じた。


「…どうしてこれを、エルガが…?」


その声は、震えていて。


隣のルトと、目が合う。

彼は、眉を下げて笑った。



「…移動しますか。赤髪の『届け屋』さん」



その手が、碧色の頭を優しく撫でる。

私は「そうですね」と、穏やかに笑った。






それから私達は、街の中の食事ができる場所へ行き、そこで話をすることにした。