中に入って来たのは、愛想が良さそうな男の子。
「鬼頭 隼人です。よろしく」
そう言って優しく微笑む顔は、わたしのタイプでは無いけどイケメンの部類だ。
きとうはやと、は、窓から一つ離れた一番後ろの席に座るわたしの、隣の席に着いた。
「よろしくな!」
そう声を掛けられて、わたしも控え目に頷く。
周りから聞こえるカッコいいね、とかの言葉を気にする様子もなく、わたしに名前を聞いてくる隼人君。
女子たちの視線を感じて、女って面倒くさいなと染み染み思う。
「河井 星雫(カワイセイナ)」
わたしが素っ気なく答えると、隼人君は星雫な!と言ってまた笑った。
無邪気で、明るく人懐っこい。
そんな印象だった。