それで、私は鞄の中から折り畳み傘を取り出した。
「よければ、この傘使ってください。」
「えっ・・・そんなことしたら杏ちゃんが濡れちゃうよ。」
「私は大丈夫です。もう一つ持ってるんで。・・・私の名前知ってたんですか?」
そのときはすごく嬉しかった覚えがあるな。
しゃべった事もない先輩が私の名前を知ってくれていたんだから。
「知ってるよ、実は。可愛いなって思ってたんだよ。」
照れたように頭をかいた先輩。
その時、勢いに任せて告白しちゃったんだよね。
先輩はびっくりしてたけどokしてくれた。
そのときで運のつきがきれたのかな~